唐突に私の横腹あたりから、柔らかいふわふわしたとても懐かしいものが動いて、布団をもそもそしたかと思うとぬうと顔を出した!
あ、ロクちゃん!
しば犬のロクちゃんが私のすぐ横に優しい顔で笑っていた。
あったかい気持ちでいっぱいになった。
夢だった。
真夜中過ぎで、雷がごろうごろごろとびっくりするほど一度大きく轟いて、それから雨の音がした。
私は少し驚いた。
なぜ今ロクちゃんが夢に?
ロクちゃんは20年前に、14年生きて最後私の腕の中で亡くなった。
可愛く優しいメス犬だった。
雷が苦手で怖がって震えていた。
年をとってからは私が手でごはんを食べさせていた。
なんだか心が通じ合ってると感じていた。
あぁ、そういえばうさぎのレイチェルもだなぁ。じっと見つめてくれた最後の姿は忘れられない。
今は猫レオがそばにいる。
身近な動物が、言葉よりもっともっと深い暖かいものを私にさりげなく普通にふわっと届けてくれる。