すごい作品でした。
圧倒されて。
静かな語り方なのに
わからないところ ややこしいところもいっぱいあるのに
惹きつけられて、読み止めることは できない。
"ペスト"を読んでいるときに
私の若い時、同じように
わからないところを読みとばしながら
強く心をつかまれ、ゆさゆさ揺さぶられて読んでいた小説、その感覚(デジャヴ?)が浮かんできた。
それは
ドストエフスキーの作品、カラマーゾフの兄弟を読んでいる時の感覚だ
それに似ているなと思った。
ちょっとずつ読んできて、昨日凄い勢いで後半をいっきに読み終えた。
今日
きのう読み終えた本から たちのぼってくる哀しい気配に取り囲まれて朝をむかえ
そのことにおどろいた。
けれども登場人物"リウ"と 友人"タルー"との
夜の海でのひとときを
想うと
私の中に、ほっと安堵する笑みが浮かんできたから
またおどろいた。
本当に
生きるっていうことを
本全部で
現してくれている。
リウのお母さんの姿も、私の中に刻まれてる。