今年はもう、ぼたん桜が咲いてるかもしれないよ、
なにもかも季節が早くすすんでるから。
そう思って、例年四月末に近くの公園に出かけるのを
昨日、足を運んでみた。
三分咲きくらいで、初々しくたくさんの蕾を空に伸ばしていたよ。
三三五五、小さな犬を連れたりして、人々が行き交う。こんなに空が澄んで、ぼたん桜の花が並んで迎えてくれたら、
コロナが心配ではあるものの、手近なこの広い公園に行きたくなるよね。
テーブルのあるベンチで、買い置きのアップルパンをかじりながら、寛いでいると、
スマホの電話がなった。
兄からだった。
東京に住む従姉妹のちーちゃんからファックスが届いたからと、ファックスのない私家を想って、連絡してくれたんだ。
ちーちゃんの旦那さんKさんが七日に亡くなり、
彼女は、コロナ禍を配慮して一人で葬儀を九日に行ったということだった。
落ち着いたら、改めて電話しますと、書いてあったと。
父母を二才で亡くし、その後私たちと一緒に中学卒業まで育ってきたちーちゃん!我慢強いしっかり者、一つ上の優しく強い私の姉貴。
48才で一回り上のKさんと結婚した。
"彼は私の唯一の家族なの"
と、彼女はKさんが数年前に大病をわずらった時、声震わせ涙ごえで、彼を失うかもしれない辛さを電話で話していた。
私はその言葉に少しだけ反発心を起こした。だって私はちーちゃんのことを大好きなお姉ちゃんとずっと思ってきたから。
けれど、今彼女の悲しみが胸をつく。
ぼたん桜が咲く日に。