はらっぱ日記

里山・はらっぱ育ちのもーちゃんです

この黒い点てんが

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コープさんで買い物をしていた時のことです。

微妙な時間帯だからか、フルーツも一部なかなかの品が割引きをしていました。

お目当ての桃が一割引、これこれ!


安売りのワゴンを見てたら

熟れたバナナが2房のっていたので、買おうかなぁと手をだしかけると、

そばにいた女性がその1房をさきに手に取りました。

自然に目が合いました。彼女も驚いたみたいな顔つきでした。

私は目で笑いかけました。

もう一つの方を私がかごに入れると

彼女はニコッとして、

「この黒い点てんが"癌封じ"なの」

と、バナナの点てんを指差しながら

突然話しだしました。

「癌封じ?」

「そう、この黒い点てん」

私がふうん、そうなんですかと応じると

それから彼女は袖をめくり上げて、自分の右腕をにゅと出したのです。そして

「私ね、・・・」


彼女が何か私に個人的なことを言おうとしているのかと思ったけれど、

私はなぜか、

「私はラップに包んでアイスにします、おいしいですよ」

と話を切り出していました。

彼女も、

「へえ、やったことないわ、おいしそう。今度やってみるわ」

と嬉しそうに言って、めくった袖を下ろしていました。


家に帰ってから、

炊事をしてる時に

ふっと彼女のことが頭に上ってきました。


聞かなかったなぁ、私。

あの人は何が言いたかったんだろう・・


私よりかなり若そうな、少し小太りの

肩より少し長めの髪をふわっと顔の両横に垂らした人でした。

地味めな柄もののワンピースに、カーディガンを羽織ってたような?

肩に大きな黒いバッグを二つも掛けていました。


・・・