私の症状に対して、アブレーションという治療は想像をはるかに超えていた。もうドラマの世界じゃないか。私はビックリ仰天してしまったがもうここまで来たら仕方がない。
手術でなく血管内治療なのに、相当に長い時間がかかったのはどこに悪い不整脈の発信源があるか探りながら治療していくからだ。３つの種類の不整脈が見つかり、すべて治療できましたと先生は言ってくれた。後は様子を見ながら。
入院している同室の人たちは重い病気をかかえている人ばかり。私のような人はいない。カーテンの向こう側となりにいた方が今日朝心臓の手術へ向かった。看護師さんと連れ立って廊下に出た彼女は私を振り返って、
この窓からね、夕陽がとてもきれいに見えるよ、朝もいいよ。見てごらん。
と言った。彼女の心臓の手術は今回３度目。
お日様見ます！
と私は叫ぶように言った。
