ここのところ書けなかった。
別のことにこころがとらわれていたからね。
その時、唯一ほっとなごんで、ふふと笑えるひとときがあった。
「村上さんのところ」だ。
ありがたい居場所だった。
とくにどうというようなところじゃないのに、
ふっと脱力させて、さりげなくチカラをくれ続けた。
昨日図書館で、読み聞かせ当番。
当番のもう一人のメンバーは、わたしと組むのは初めての
わたしよりかなり若い女性だった。
彼女は長い豊かな黒髪をぎゅと後ろで束ねていた。
大柄で背が高く、それとは対照的に、びっくりするほど訥々とした話しぶりの、
あまりまともに相手と目を合わさない感じの、
でも真面目が体全体から吹き出ているような、
わたしには好印象の方だった。
彼女と少し話しただけで、わたしは何だか愉快な気持ちになった。
彼女は子どもたちに対しても、
まるで普通の大人の人に対するように、
「よ、よろしくお願いします」
と丁寧で、余計なことは一切言わない。
子どもたちは彼女の様子を食い入るように見つめ、
やがて絵本の中へいっしょに入って行った。
終わって、子どもたちやお母さんが、わたしたちの読んだ絵本を何冊か借りて帰って行ったとき、
「人気が・・あって・・よかったです」
と、嬉しそうに(あいかわらずわたしの目を見ずに)
ふふっと笑いながら言った。
おもしろい人だなあ。
あまりこれまで出会ったことがないような人に出会うと、
人生ってまだまだおもしろいって思うよ。