はらっぱ日記

里山・はらっぱ育ちのもーちゃんです

いちじく、にんじん

図書館で小さな子どもたちに絵本の読み聞かせをしてきた。
グループのメンバーの人と二人で30分間の活動だ。
今日来てくれたのは2・3才くらいの子どもたち6人と、小学生のお兄ちゃん一人(学級閉鎖のため弟について来てくれた)、若いお母さん6人もいっしょ。
わたしが選んで読んだ4冊の絵本のなかで、
「いちじく、にんじん」という絵本が一番楽しかった。
ただ、いちじくやにんじんの絵が順番に描いてあるだけなのにな。ふしぎだな。
いちじく
にんじん
さんしょに
しいたけ
ごぼう
むぎ
なす
はす
きゅうりに
とうがん
わたしが題を読んで表紙を見せただけで、
一人の3才くらいの男の子が、いちじくの絵をみて目をぱっと輝かせて
にこっと笑った。
「いちじく!」って小さなうれしそうな声をあげた。
わたしはびっくりした。
わたしが「♪い〜ちじく」と歌うように読み始めると、
その男の子のお兄ちゃんが
「♪い〜ちじく」
とメロディ〜をつけて声を出してくれて、
「わあ、しってるの!?」
それから、わたしが一つの言葉を読むたびに
子どもたちがみんなで言葉をやわらかく返してくれる♪
「♪い〜ちじく」「♪い〜ちじく」
「♪にんじん」「♪にんじん」
「♪さんしょに」「♪さんしょに」
「♪し〜たけ」「♪し〜たけ」
さいごに2ページにまたがる「とうがん!」が出てきて、
またあの男の子が
「わあ、おっき〜い!」
と目をまあるくして、身を乗り出して言った。
こんな、なんでもないような小さな絵本の一ページが、
子どものこころにすうっと吸い込まれるように溶け込んでいくのを見て
わたしはただもう感心してしまうばかりだ。