はらっぱ日記

里山・はらっぱ育ちのもーちゃんです

偶然の旅人

f:id:nojimoe:20170415134804j:plain同窓生Mさん著のビシネス書?を読み出して、半分くらい読み終えた今、私の中にある言葉が頭にぽこんと浮かんで消えなくなった。

春樹さんの"東京奇譚集"の中の短編「偶然の旅人」で出てくるあるピアノ調律師の言葉だ。

本を出して来て、あぁこの部分だと気持ちが高揚した。

「きっかけが何よりも大事だったんです。僕はそのときにふとこう考えました。偶然の一致というのは、ひょっとして実はとてもありふれた現象なんじゃないだろうかって。つまりそういう類の物事は僕らのまわりで、しょっちゅう日常的に起こっているんです。でもその大半は僕らの目にとまることなく、そのまま見過ごされてしまいます。まるで真っ昼間に打ち上げられた花火のように、かすかに音はするんだけど、空を見上げても何も見えません。しかしもし僕らのほうに強く求める気持ちがあれば、それはたぶん僕らの視界の中に、ひとつのメッセージとして浮かび上がってくるんです。その図形や意味合いが鮮やかに読み取れるようになる。そして僕らはそういうものを目にして、ああ、こんなことも起こるんだ。不思議だなぁと驚いたりします。本当はぜんぜん不思議なことでもないにもかかわらず。。そういう気がしてならないんです。どうでしょう、僕の考えは強引すぎるでしょうか?」

たまたま同窓会に行って、たまたま

小さなつながりができた。

私は今自分の日々に、はっとするような何かを偶然に受け取った気がしている。

自分のうすうす抱いていた自作紙芝居への不満は、たぶん彼の本を読むことによって一気に吹き出したのかもと思えてきた。

うむむ、とにかく思い込みの強い人間ですから。