はらっぱ日記

里山・はらっぱ育ちのもーちゃんです

行きたかった場所

けむる朝の小道

ちょっとした時間の空白に
足が向いたのは
わたしが行きたかった場所。


ドアを開けるとなつかしい顔たちが
突然のわたしの出現に、
ぽかんと口を開けて、
「あ・・のじさん・・・」
足が、いそいそとそこに向かって急ぐ場所があって、
それがうれしい。


車いす青年ラブギラスくんも
指導員のSくんも、Rちゃんも、Sちゃんも、Kくんも、
独特の声と顔といつものセリフで迎えてくれた。
Sちゃんはさっそく伝票のようなものを出してきて、
そこに何かを書いてくれとペンをさし出してジェスチャーをする。
ラブギラスくんが名前を書いてほしいって言ってるんやと教えてくれる。
わたしがSちゃんの名前を漢字で書くと、Sちゃんは音を立てないで両手を合わせて拍手をしてくれた。それから次々作業所のメンバーの名前をその伝票用紙に書いていった。
名前を書いていく作業がなつかしくうれしかった。
Sちゃんは、わたしがここでご飯を作っていたころとは違う落ち着いたたたずまいが追加された感じで、
「なんかSちゃん大人になったなあ」というと、
指導員のSくんが、
「そらもうミソジやもん」
と言った。
そうかあ!とおどろいた。


とても短い時間の作業所への訪問だった。
わたしには、行きたいと足が急ぐ場所があるのだと、
思ったんだ。