〈オミナエシかなと思ったら、白ばなだからオトコエシだったよ〉
キング牧師のことを書いた本(わかりやすい英語で書かれた)を読んで、
それが易しい言葉を用いた英語表現であるにもかかわらず、私は大きな衝撃を受けた。
アメリカにとって、'60年代がどんなに凄い変革(への指向)、激動激変の時代であったのかが、
無知な私を揺らすように、しっかりと伝わってきた。またあまりにも今の情況に結びついていて・・・
私の'60年代のことを思ってみる。
私にも、やっぱりすごい時代だったんだ。
今、それがよくわかるような気がする。
学生時代が始まると
いきなり太く力強い字で書かれた大量の立て看に迎えられた。
田舎育ちの、かなりのほほんとした、
世間を知らなさすぎる私は
それを見て呆然とした。
世界なんて全然知らなかったんだもの。
講義が始まる前に、ひとりの学生が前に立ち、いきなり世界情勢から解き語り、私たちをアジって演説を始めた、毎日のことだった。
あちこちで集会が開かれ、わからない言葉や論理が飛び交っていた。
私は、キョロキョロと周りを見回して、
それでも、そこに、私が見ないといけないものを見ようとしていたんだと思う。
アメリカのあの時代と、みんな連動していたんだね。
人形劇だって、私の釘付けになった先輩は芸術論をを私たちに、その表現のやり方で示していた。
彼の年賀状に
涙を流した魚が一匹えがかれていて、
「おめでたいのは、あなたたちの方だよ」
とひとこと。
あの時代のさまざまなコトゴトって、
今、この年齢になった私に
ゆっくり、時間をかけて、
あまりにも奥手すぎるとしても、
私のココロの奥の方で、
小さな見落としてしまいそうな芽をだしている
はず。
と思いたい。