読んでほんとによかった。
はじめは "何なん?この小説" だったのに、中頃あたりから、吸い込まれていった。
「夏物語」
川上未映子さん、ありがとう❗️
大きな、深い小説だった。
夏子の姉"巻ちゃん" 姪"緑子" お母さんに
コミばあ。
また夏子の仕事に関係する人々、
AID(人工授精)に関係する人々。
そんな人たちが立ち上がってくる。
その人たちが暮らす大阪の、また東京の、とある街の ごちゃごちゃした細かな佇まいも。
全てが 私の中のいろいろな人や物事を重ならせて、揺さぶって。
ボイジャーの話もすごかったけれど。
夏子が、AIDで誕生した善百合子さんと、最後の方で向かい合う場面は 心に沁み渡った。
・・・
「生まれてきたことを肯定したら、わたしはもう一日も、生きていけないから」
・・・
善さんが頼りない笑みを浮かべて、小さな声で夏子にそう言ったんだ。
その後の二人のやりとりや、夏子の思いが・・・
私を揺さぶりまくった。
なんか感想がいくらでも噴き出してきそうだ。
Aさんや、Kさんらと この本について話し合えたらいいのになあと
とても久しぶりに思った。
私は、夏子にとっての"コミばあ"のような存在に、
誰かにとって のそんな存在になりたい。