はらっぱ日記

里山・はらっぱ育ちのもーちゃんです

春まちの道を歩く

nojimoe2016-02-19

のびすぎた髪をカットするために、行きつけの店へと向かういつもの歩道を歩いていた。
お日様は明るく、さわやかな青空。
この道は「人と自然の博物館」に近くて、緑の木々がずっと両側につきあってくれるからこんなお天気だとすごく気持ちいい♪
と、前からあるいてきた人が
「まあ〜野路さ〜ん」
とすっとんきょうな明るい声をあげ、両手を広げた。
お日様を背にしていて、だれだかわからないが、その声の調子が
とてもあったかく若々しいので、私はその人は一体だれなんだろう?!と嬉しくなった。
彼女は軽快な服装をしてリュックを背負っていた。近づいてきて、さっと私の両手を彼女の大きなやや冷たい両手ですっぽりと覆って、そのままずっと放さなかった。
むかしまだ私が仕事をし始めたばかりの頃、同じ職場で一緒に働いていて、とても仲良しだったMさんだ!彼女は養護教諭で、ずっと定年まで、またそれ以降も働き続けてきた頼もしくどっしりした、わたしの大好きな友だちだ。
私がこの街に越してきたから家が近くなり、彼女の家にお茶にさそってくれたりした。あれから久しぶりの再会だ。
Mさんは高齢の義理の両親を自宅に引き取ることになったこと、認知症の、また身の回りの介護に明け暮れ、自身もストレスから心臓発作を起こしてしまったことなどを、一気に話した。

今、ショートステイやディサービスを受けることができるようになって、ほっとひといきついたところだと言う。
おおらかでたくましいMさん!私の持病のこともよくわかって相談にものってくれた。庭の水仙を抱えて家を訪ねてきてくれたこともあった。
今度美味しいものでも一緒に食べに行こうよ〜と彼女と話してバイバイした。
スッキリ髪をカットした帰り道、春待ちの桜の木がお日様のほうを向いて、笑っていたよ。