はらっぱ日記

里山・はらっぱ育ちのもーちゃんです

読み方に人生が表れるって本当かも

nojimoe2015-06-16

この前の「読み聞かせ」グループの例会で、
絵本の読み聞かせ練習があった。
市内のK小学校での学期に一回の「読み聞かせ」活動が近づいているので例会で時間をとって、それぞれがメンバーの前に立ち絵本を掲げ本番さながらに読む練習をするのだ。
わたしは、ある人の「読み」に深く引きこまれた。
何度も何度もこの本を読む練習を重ねてきたと彼は言っていた。
「この本いいですね〜!」と何度も口にしていた。
センダックの「かいじゅうたちのいるところ
「この本大好きなんです」と本の魅力を何度も熱く話し出すのだ。
彼の読みはなめらかとか、活舌がよいとかとは関係がない。
むしろ、訥々としていて、歯切れがよいとは言えない。
でも、何かがしっかりこちらに伝わってくる。
「この本大好きなんだ。聴いてほしいんだよ、ほらね」と
彼の中身が沁み出てくるみたいな。
わたしは文のない絵だけのページが続いている時に、絵本からかいじゅうたちの踊っているときの音楽みたいなものが聴こえてきた。
わたしが、音楽を自分でこしらえていたんだろうけど。
読んでもらった後、自分がかいじゅうたちのいるところに行っていろんなことを経験してまた帰ってきたような気持ちだった。
この本をこんな風に感じたのは初めてだ。
読んでくれたYさんは、深刻な病気を抱えておられるが、今の時間を精一杯生きておられる。その真ん中から繰り出される余計なものの一つもない読み方が、こちらに透明な光のように伝わってきたと思う。