今読んでいる「To Kill A Mockingbird 」(日本語訳 アラバマ物語」の一節にこころ惹かれました。
主人公のスカウトという女の子が、兄や友だちのディルと一緒に、お父さんが弁護士として立ち合っている裁判をこっそり紛れ込んで観るところ、ディルが泣きだしてしまうのです・・・
スカウトがディルを外に連れ出して気分がわるい?と聞いてる時、
街の人たちには飲んべエと思われているレイモンドさんに話しかけられる・・・
「そこの子の気持ちにはまだ俗世界のアカがしみついていない。もう少し大きくなれば、気分がわるくもならないし、泣きだすこともないだろうがね。おおかた、世間のことってものは、そんなもんだということに気がつくようになるだろうよーそうでなくても、とにかく泣きゃしない、二つ三つ年をとったら、泣きだすなんてことはしなくなるさ」
「なんで泣くの、レイモンドさん」ディルの男らしいきかん気があたまをもたげはじめた。
「人間がほかの人間にひどい仕打ちをするーそしてひどいことだともおもわない、それに泣くのさ、白人が黒人にするひどい仕打ち、黒人も人間だということを考えもしない、その仕打ちに泣くんだよ」
・・・・・
昔出会った10才の沢さんという女の子を重ねて思い出します。
クラスで、鼻を殴られた男の子の話をみんなでしていたとき、
沢さんは、上を向き涙を流しながら、
「私の鼻が、痛くなるんです・・・」
と、同じクラスの殴った男の子に言ったんです。